静脈経腸栄養
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特集:NST活動の標準化とその評価
救急医療とNST
北澤 康秀
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2006 年 21 巻 2 号 p. 2_3-2_9

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抄録

救急医療においては、重症集中治療が中心業務となる。重症救急患者では、原疾患の重篤性に加え、呼吸・循環動態の不安定性、臓器障害が併存し、エネルギー代謝の亢進と、内分泌異常、高サイトカイン血症など種々の全身状態の変化が起こっている。そのような重症患者に対する栄養管理の理念的目標は、必要なエネルギーを充足させ、全身筋肉量(Lean Body Mass)の減少を最小限に抑えることにある。実際、入院時に高度の低アルブミン血症を呈している例が多く、この低アルブミン血症は死亡率と相関している。栄養管理においては、必要エネルギー量の算出や間接熱量計による測定を繰り返し実施し、その必要量を可能な限り経腸栄養で投与することが求められる。重症患者における、経腸栄養投与の重要性、栄養状態の評価、低アルブミン血症に対する評価と対策、アルブミン製剤の投与の適否について概説し、当院救急集中治療室におけるNST活動を紹介する。

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© 2006 日本静脈経腸栄養学会
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