学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
臨床経験
重症COVID-19における栄養管理の問題点-当院で経験した10症例を通して-
神山 治郎関川 香織黒沢 直子問註所 英明青木 律子
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 3 巻 1 号 p. 48-52

詳細
抄録

新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19と略)は,重症化すると人工呼吸・集中治療管理が必要となり,血中リンパ球数減少からの二次感染や,回復後のICU-acquired weakness等の問題を引き起こす.これらの合併症のリスクを低減させるために,早期からの栄養療法は重要である.当施設では気管挿管後早期からの栄養介入の結果,2020年4月から8月にかけて重症COVID-19の患者10例が軽快し,10例全てが独歩退院に至った.この他にも重症COVID-19に対する栄養管理の問題点として,ステロイド投与下での血糖コントロール,消化管合併症に対する腸管機能の維持や,腹臥位療法やレムデシビル投与下での嘔吐への対策が挙げられる.これらの問題に対して,感染対策を徹底しながら多職種が連携して適切に対応していかなければならない.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
前の記事 次の記事
feedback
Top