生体医工学
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シート型バイタルセンサを使った乳幼児の睡眠時の非拘束バイタル測定
熊木 大介本島 優子樋口 藤男佐藤 勝浩関根 智仁時任 静士
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2023 年 Annual61 巻 Abstract 号 p. 245_2

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抄録

強誘電性高分子フィルムを用いたシート型バイタルセンサを使い、6歳以下(0歳3か月~5歳8ヵ月)の乳幼児23人を対象として、お昼寝時の心拍や呼吸などのバイタル変化をモニタリングした。研究方法は学内の倫理審査で承認された方法に従って行われ、被験者の両親に研究内容と測定方法を説明し、承諾が得られた被験者の測定を行った。シート型バイタルセンサは厚さ1mm以下で約20cm角のシート状の振動センサで、お昼寝用コットの上にシートセンサを敷き、その上に被験者を寝かせ、寝ている間の心拍や呼吸、心音などを測定した。被験者の心拍動や呼吸運動によって生じる生体由来の微弱な振動がアナログ電圧信号(バイタル信号)として取得された。得られたバイタル信号をフィルタ処理によって心拍と呼吸成分に分離し、お昼寝開始から覚醒に至るまでの心拍数や呼吸数の変化などを解析した。被験者の体重が10kg以上の場合は2~20Hzを抽出するフィルタ処理で心拍信号が観測できたのに対して、被験者の体重が約10g以下の場合では、10~20Hzを抽出するフィルタ処理で心拍信号が観測された。体重が10kg以下の乳児では、心拍信号がより高周波帯域で観測される結果が得られた。当日は覚醒に至るまでのバイタル変化について詳細に解析を行った結果についても報告する。

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© 2023 社団法人日本生体医工学会
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