2017 年 55Annual 巻 4PM-Abstract 号 p. 337
外来看護に求められるものは高度になる一方で益々人員不足は加速している。スマートデバイスの医療への導入は、業務体系を変える可能性があり、業務を効率化し、人員不足を補う運用が望まれる。そこでスマートデバイスを用いた看護系システムの研究数を文献検索し、その推移と内容の変化について検討し、これからの展開を考察する。医中誌・日本看護協会のWeb検索システムを用いて関連キーワードを含む文献を検索したところ、全301件が該当した。通信機器の発展を背景に携帯端末における技術開発と医療分野での利活用は大きなタイムラグなく参入できていること、連絡用ツールから健康管理ツールへと利用拡大しつつあることが明らかになった。また、アドヒアランスの向上を目指す治療へと変化する医療において、スマートデバイスの登場や利用が補助的役割を果たしていると言える。患者の受診行動の中で最も複雑な診療科の一つである眼科外来へのスマートデバイスの利用を検討する際、①導入で改善を狙う業務の切り分け、②新たなデバイスへの対応力の2点がポイントとなる。ICTの普及と共に利用可能なデバイスが形を変える。それを踏まえた上で、患者にとってベストな医療サービスを提供するための方法を検討する必要がある。