哺乳類科学
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長野県伊那山地中北部および赤石山脈の御池山における小型哺乳類相:標高と生息環境による違い
明主 光
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2020 年 60 巻 2 号 p. 211-217

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抄録

2018年9月10~12日に,長野県伊那山地中北部(標高1,090~1,120 mのヒノキ植林地)でスミスネズミEothenomys smithii,アカネズミApodemus speciosus,ヒメネズミA. argenteusを17個体,赤石山脈の御池山(標高1,750~1,820 mの亜高山帯針葉樹林とカラマツ植林地)においてヒメヒミズDymecodon pilirostris,ヒミズUrotrichus talpoides,スミスネズミ,ハタネズミMicrotus montebelli,アカネズミ,ヒメネズミを15個体,それぞれ捕獲した.各地点で確認された種構成は微生息環境および標高によって変化する傾向がみられた.一方,人為要因による植生の変化や,近隣地域とは異なる個体群の成立過程が特定の種の捕獲の有無に関わっている可能性も考えられた.

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© 2020 日本哺乳類学会
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