日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
審査腹腔鏡が有用であった著明な気腹症を呈した腸管囊胞様気腫症の1例
武田 泰裕藤田 明彦羽生 信義矢永 勝彦
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2013 年 33 巻 8 号 p. 1345-1348

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抄録

症例は72歳,男性。著明な腹部膨隆を認め,他施設より救急搬送された。腹部は緊満し,下腹部に軽度の圧痛を認めた。腹部X線検査,および腹部CT検査にて腹腔内に多量の遊離ガス像および小腸壁内に広範な気腫像を認めた。間質性肺炎に対し,ステロイド内服中であり腸管囊胞様気腫症(pneumatosis cystoides intestinalis:以下,PCI)を疑ったが,穿孔性腹膜炎を鑑別すべく審査腹腔鏡を施行した。腹腔内を観察すると小腸及び小腸間膜のほぼ全域にわたって泡沫状の気腫像を認めたが,壊死や腹膜炎を疑う所見はみられずPCIと診断した。術後経過は問題なく術後11日目に退院となった。本症例の診断,治療に審査腹腔鏡が有用であった。

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© 2013, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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