2003 年 39 巻 4 号 p. 101-106
藏澄らは日本人の体格や体型の変化に着目し,身長と体重を構成要素とした人体の体表面積算出式(藏澄ほか, 1994)を提案したが,実測をしてから約10年が経過した.人体はさまざまな要因により変化を続けているが,藏澄らの人体の体表面積算出式が約10年を経た今日の日本人の成人へも適用可能かの検討をおこなった.健康な成人男女6名を被験者として人体の体表面積を実測し,実測結果と体表面積算出値とを比較した.DuBoisの算出式と藤本・渡辺らの算出式については,算出値と実測値との間には有意な差が示され,その使用には注意する必要があることを明らかにした.一方,藏澄らの算出式と藏澄らの男性の算出式,藏澄らの女性の算出式については,算出値と実測値との間の差は有意ではなく,実測値と適合することを確認した.