日本経営工学会論文誌
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ファジィ区間データに基づく回帰モデルの近似的ベイズ変数選択
吉川 伸一奥田 徹示浅居 喜代治
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2002 年 53 巻 2 号 p. 97-126

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抄録

回帰分析を行うとき, どのような独立変数の組み合わせを選択するかが重要である.本論文では, 従属変数がファジィ区間データとして与えられている場合を考えており, ファジィ従属変数と通常の独立変数とを利用して, 変数選択を行うための事後確率を近似的に導出している.ただし, ファジィ区間データを表すメンバシップ関数を直接利用して計算すると式が非常に複雑となり, 解析が困難となる.そこで, メンバシップ関数の中心値を代表値として採用し, これを統計的処理に用いる実用的な手法を提案した.すなわち, 代表値のみを用いて計算すると事後確率の値に本来の値からの偏りが生じるため, 変数選択にも影響が現れる.そこで, これを修正するために事後確率に対する補正量を導出して, この補正量を利用して妥当な変数選択が可能となるような手法について考察した.また, 現実的な状況を想定し, 左右非対称なメンバシップ関数を設定してシミュレーションを行った.その結果, 提案手法の有効性が示された.

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© 2002 公益社団法人 日本経営工学会
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