糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
糖尿病教育後患者における食事療法妨害要因の解析
退院後のアドビアランス追跡調査から
山本 壽一石井 均古家 美幸岡崎 研太郎辻井 悟
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 43 巻 4 号 p. 293-299

詳細
抄録

糖尿病教育後の食事療法に対する妨害要因と逸脱・再発の推移, およびHbA1cの経過について検討した. 2週間の教育入院後の128名に対して面接調査を実施した. 食事療法が守れなかった (逸脱), 治療前状態に戻った (再発) と定義し, Marlattの再発モデルを利用して高危険度状況 (HRS) を分析した.1) 危険状況は個人内因子36.0%, 環境因子37.9%, 対人関係因子24.796でHRSは環境因子であった, 2) 冠婚葬祭時は普段より有意に逸脱率が高かった (83.6%vs54.7%).3) 退院2カ月目に逸脱が3カ月目に再発が有意な増加をした, 4) HbA1Cは教育前9.296, 退院後3カ月目に最低値6.496, その後微増した. 退院後2カ月目のHbA1Cが改善する時期にHRSへの対処が出来ず, 翌月に有意な再発の増力口が見られることから, 退院後1, 2カ月目にHRSへの対処法の訓練が必要であると示唆された.

著者関連情報
© 社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top