糖尿病
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内分泌疾患に伴う2次性糖尿病の比較検討
山岡 孝曽根 博仁奥田 諭吉板倉 光夫山下 亀次郎
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1995 年 38 巻 6 号 p. 421-429

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抄録

内分泌疾患に合併する糖尿病の特徴を検討するために, 末端肥大症, Cushing症候群, 褐色細胞腫, 原発性アルドステロン症の患者をそれぞれ75g OGTTにより正常群, 境界群, 糖尿病群とに分け, 臨床データを比較した. 末端肥大症では糖尿病を合併する率が39.6%と最も高く, 血糖値曲線も4疾患の中で最も高値を示した. Cushing症候群では38.5%に糖尿病を合併したが, 早朝空腹時血糖値は糖尿病群においてもほぼ正常範囲にとどまるという特徴を示した. この2疾患は高インスリン血症を伴い, 年齢糖尿病の家族歴ホルモン値異常の程度, 体重増加などが糖尿病の発症と関連した. 褐色細胞腫と原発性アルドステロン症は, それぞれ27.8%, 17.9%に糖尿病を合併し, 早朝空腹時血糖値が比較的高く, インスリンの分泌抑制を伴い, ホルモン値異常の程度 (原発性アルドステロン症ではさらに電解質異常の程度), 体重減少などが糖尿病の発症と関連した.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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