糖尿病
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糖尿病治療におけるインスリンSu剤併用療法の臨床的有用性
駒津 光久平松 邦英相澤 徹山田 隆司吉澤 国雄
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1988 年 31 巻 12 号 p. 923-928

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抄録

スルフォニルウレア剤 (以下Su剤) の糖尿病に対する治療効果を下記のごとく検討した.
1) インスリン療法中の患者にSu剤を併用
2) インスリン, Su剤併用中の患者にSu剤のみ中止して血糖の変化, インスリン分泌能の変化を観察. (結果) 1) 血中CPRが食前後とも測定感度以下の6症例では, Su剤の併用は全く無効であった.血中CPRが測定可能な17症例ではSu剤 (グリベンクラマイド9.4±0.3mg/day) の併用でインスリン必要量は半減し, 血糖コントロールも改善し, 48週間にわたり持続した.
2) Su剤/インスリン併用中患者8名でSu剤 (グリベンクラマイド9.1±0.5mg/day) を中止すると2週後には, 血糖値は急激に悪化し, 同時に食前後の血中CPRも低下した.
(結論) 以上の結果より, Su剤は主にインスリン分泌を改善することで血糖を下げ, Su剤とインスリンの併用療法はインスリン分泌の保たれている患者では有用と思われる.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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