Sodium-glucose cotransporter-2(SGLT2)阻害薬は糖尿病患者の血糖値の改善や体重減少が期待されているが,その効果にはこの薬剤による食行動の変化が影響する可能性がある.今回我々は,SGLT2阻害薬の内服を開始した群(SGLT2i群22人)と開始しない群(Control群18人)に分け,6ヶ月間の治療効果と食事内容と食行動の変化について検討した.両群でHbA1cの改善と体重減少が見られSGLT2i群でより顕著であった.両群の食行動・摂取総カロリー・栄養素のバランスに有意な変化はなかったが,Control群はSGLT2i群と比較してショ糖摂取量が有意に低下した.またSGLT2i群では外発的摂食行動の変化と炭水化物摂取量の変化が正の相関を示した.治療効果を最大限に引き出すためには,外発的摂食行動とショ糖・炭水化物摂取量に留意して栄養指導を継続することが重要と考える.