2010 年 62 巻 4 号 p. 339-342
地中構造物に作用する土圧は,構造物と地盤との相互作用の影響を受けるため,高盛土内のカルバートなど周辺地盤の沈下が予想される場合は,埋設構造物の規模,土かぶり,基礎の支持条件等に応じて鉛直作用土圧の増分を見込む必要があることはよく知られている.例えば,道路土工・カルバート工指針(1999)では,過去の限られた実績等の経験値を根拠として,土被り圧の1.0~1.6倍程度の鉛直土圧増分の目安を示している.しかしながら,これには沈下の度合や盛土材料の特性などは考慮されていないため,近年の多様な盛土・埋設形態に即した合理的な設計がされているとはいい難い場合も多いと考えられる.本研究では,任意の分割底版を昇降できる移動床土槽を製作し,移動・固定床への作用土圧分布を詳細に計測すると共に,その簡易算定手法を提案した.[本要旨はPDFには含まれない]