脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
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特集 医療におけるビッグ・データの活用
脳腫瘍に対する医療の可視化
吉本 幸司嘉田 晃子波多江 龍亮村田 秀樹赤木 洋二郎西村 邦宏溝口 昌弘飯原 弘二
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キーワード: DPC, brain tumor, temozolomide
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2015 年 24 巻 10 号 p. 693-698

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抄録

 第34回日本脳神経外科コングレスと日本脳神経外科学会との共同で行ったDPCデータを用いた施設調査の結果をもとに, 脳腫瘍に対する医療の可視化を目的として脳腫瘍患者の解析を行った. 日本脳神経外科学会研修プログラムにおける研修施設 (基幹施設, 研修施設) に協力を依頼し, 脳神経外科疾患の治療を目的に入院した患者について2013年4月~2014年3月までの1年間のDPCデータを収集した. 最終的に327施設からデータを提供していただき, 計50万1,609人の患者データの解析を行った. この中から病名コードであるICD-10を用いて原発性悪性脳腫瘍6,142例, 転移性脳腫瘍2,538例, 下垂体腫瘍2,043例, 髄膜腫3,854例, その他の良性脳腫瘍患者5,666例を抽出することができた. 今回は悪性脳腫瘍に着目して解析を行うこととし, 原発性悪性脳腫瘍, 続発性脳腫瘍患者の解析を行った. Kコードを用いて手術治療を受けた症例を抽出し, 原発性悪性脳腫瘍患者1,564例, 転移性脳腫瘍患者1,072例について手術治療以外の治療内容について検討した. DPCデータを用いた悉皆性のあるデータ解析は脳腫瘍医療の可視化にも役立つと考える.

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© 2015 日本脳神経外科コングレス
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