日本放射線技術学会雑誌
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6. CR とスクリーン/フィルムとの比較 : シカゴ大学での測定(ディジタルラジオグラフィの画像評価)
真田 茂土井 邦雄XIN-WEI XUFANG-FANG YINMARYELLEN L. GIGERHEBER MACMAHONX. YU
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1991 年 47 巻 6 号 p. 870-874

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抄録

(1)種々のサイズのIPにおけるプリサンプリングMTFは低空間周波数領域では同様であった.高空間周波数領域では, サイズが小さいもの程, プリサンプリングMTFは向上した.(2)CR画像のプリサンプリングMTFはスクリーン/フィルム系のMTFに比べて, 低空間周波数領域で大きかったが高空間周波数領域では低い値を示した.(3)二画像同時撮影法で得られたCR画像とそうでないCR画像のプリサンプリングMTFはほぼ同様であった.(4)CR画像のウィナースペクトルはスクリーン/フィルム系のそれに比べて, 約2倍, 二画像同時撮影法を用いたときで約3倍程度大きな値を示した.(5)CR画像の出力画像が縮小されると, そのウィナースペクトルはスクリーン/フィルム系のそれと, 見かけ上だけは, ほぼ同等またはそれ以下の値を示した.しかし, CR画像は, 本質的にスクリーン/フィルム系よりも粒状の多いシステムである.(6)各種試験彼写体を撮影したCR画像ではノイズがその画質を低下させているのが明かに認識できた.(7)患者胸部のCR画像の画質はスクリーン/フィルム系のそれと大体において等価と考えられた.(8)二画像同時撮影法はCR画像の診断能をスクリーン/フィルム系のそれと比較検討するために有用な手法である.今後さらに, 二画像同時撮影法を用いて症例を増やして検討を続け, 十分な数の症例を用いてオブザーバーテストを行う予定である.

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© 1991 公益社団法人 日本放射線技術学会
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