日本消化器外科学会雑誌
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自然破裂をきたした異所性肝細胞癌の1例
千田 禎佐緒豊島 隆福田 健小野地 章一中島 規道浅沼 義博小山 研二
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1992 年 25 巻 3 号 p. 868-870

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抄録

症例は59歳男性, ショック状態にて緊急入院し, 超音波検査で腹腔内に液体貯留を認め, 腹腔穿刺にて血性腹水を得た.腹腔内出血による出血性ショックと診断し, 緊急開腹手術を施行したところ, 腹腔内には約2,500mlの出血があり, 左三角靱帯内に破裂した腫瘤を認めた.腫瘤は肝臓と連続性がなく, 組織学的にEdmondson II型の肝細胞癌と診断された.左三角靱帯内に発生した異所性原発性肝細胞癌が自然破裂したものと考えられた.異所性肝細胞癌はきわめてまれであり, 本邦ではこれまで3例の報告がなされているのみである.

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