2015 年 48 巻 6 号 p. 527-532
症例は20歳の女性で,左下腹部腫瘤を自覚し,近医受診した.精査加療目的にて当科紹介受診され,精査にて小腸もしくは小腸間膜の囊胞性腫瘍を認め,腹腔鏡補助下小腸部分切除術を施行した.手術所見は,Treitz靱帯より30 cm肛門側の空腸間膜に60 mm大の隆起性病変を認めた.腫瘍は空腸と密に接しており,小腸部分切除術を施行した.病理組織学的検査所見は,囊胞形性を伴った小腸間膜原発平滑筋腫であった.現在,術後2年6か月の状態であるが,再発所見は認めていない.小腸間膜原発の平滑筋腫はまれであるが,さらに囊胞形性を伴った平滑筋腫は極めてまれであり報告する.