臨床神経学
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症例報告
血管原性浮腫の関与が示唆されたMarchiafava-Bignami diseaseの1例
中村 祐貴松谷 学池田 和奈津田 玲子有吉 直充下濱 俊
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2016 年 56 巻 1 号 p. 17-22

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抄録

約40年の慢性の飲酒歴を背景に,神経症状および脳MRIからMarchiafava-Bignami disease(MBD)と診断した1例を報告した.拡散強調画像では脳梁膨大部と両側中心前回に高信号を呈しており,脳梁膨大部ではADCが軽度高値であった.ビタミン剤の投与により画像変化は消失し,臨床的にも症状の改善を得た.従来,脳梁病変は細胞傷害性浮腫に起因した脱髄と壊死が主病態であると考えられていたが,より発症早期には血管原性浮腫の関与が示唆され,病態像の理解に重要と考え報告した.

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© 2016 日本神経学会
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