臨床神経学
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1 病態仮説に基づくアルツハイマー病治療法開発の現状と展望
コリン仮説に基づくAD治療法開発の現状と展望
下濱 俊
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2013 年 53 巻 11 号 p. 1036-1038

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抄録

1970年代後半からの神経伝達物質の研究によりアセチルコリン(ACh)作動性神経系の障害がアルツハイマー病(AD)における認知症発現の主因であるとするコリン仮説が提唱された.その仮説に基づきAChの分解を抑制しシナプス間隙のACh 濃度を上昇させる目的で開発されたのがACh分解酵素阻害薬(ChEI)である.ChEIとしてドネペジルに加え2011年からガランタミンとリバスチグミンがAD治療薬として本邦でも承認された.ChEIにはsymptomatic effectだけでなく,神経細胞保護やAβ沈着抑制などADの病態そのものに作用するdisease modifierとしての作用が明らかにされている.

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© 2013 日本神経学会
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