1999 年 63 巻 5 号 p. 587-592
京都大学芦生演習林を訪れた48グループの一般利用者を対象として写真投影法による調査を行った。得られたデータから, 現実の森林レクリエーション行動下において体験され, 評価される森林景観を, 視対象, 視点, 視距離地形, 構図などの複合的な要素からなる景観型として整理し, それらの操作可能性を論じるとともに, 景観型と来訪者の利用形態との関係を検討した。その結果, 林内散策行動の条件下で景観体験となりやすい景観のパターンが抽出された。また, レクリエーション利用者の環境に対する態度は, 異なる複数のタイプとしてとらえられ, 多様な景観体験を確保したレクリエーション地域計画の必要性が示唆された。