Sn-9ZnとSn-8Zn-3Bi低温鉛フリーはんだ接合部の機械的せん断疲労試験を実施し, はんだ接合部の疲労寿命評価を行った。Sn-9ZnとSn-8Zn-3Biはんだ接合部のCuめっき界面はCu-Zn金属間化合物の有無によらず, 安定した疲労強度を有すると認められた。ただし, 高温高湿環境にさらされた場合は, はんだ接合部界面の疲労強度の低下が無視できなくなる。また, 基板側にNi-Auめっきを施した場合は, チップ側のはんだ接合部界面の疲労強度の低下が見られた。さらに, Sn-8Zn-3Biはんだをペーストとして他のはんだボール (Sn-Ag-Cu, Sn-Pb) と併用する場合も, はんだ接合部の強度低下が認められなかった。したがって, ある程度でその使用環境を限定し, また, 実装条件を注意すればSn-Zn系低温鉛フリーはんだは十分に実用できると認識できる。