Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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リポ多糖のコア領域の化学構造-最新版
Otto Holst橋本 雅仁
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2002 年 14 巻 76 号 p. 87-103

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抄録

リポ多糖 (LPS) はグラム陰性細菌の内毒素であり、真核生物の細胞や組織に対して免疫学的、薬理学的、病態生理学的な作用を示すことが知られている。現在までに、LPSや類縁体、その部分構造について、様々な生物活性に対応する化学構造解析が精力的に行われてきている。LPSの脂質部分であるリピドAは内毒素の活性中心であることが証明されている。しかし、リピドAの毒力はそれ自身の構造に強く依存するだけでなく、リピドAに共有結合したLPSの一部分であるコア領域の影響も受けている。コア領域もまた免疫学的作用を示す。すなわち、LPSの作用を理解し内毒素症の治療に結びつけるためには、コア領域の構造を解析しその構造と活性とを比較することが重要である。これまでに、さまざまなグラム陰性細菌のコア領域の構造が発表されており、それぞれ総説にまとめられている。この論文では、1998年10月から2001年12月までに発表された構造について概説した。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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