食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
報文
LC/MS/MSによるハチミツおよびローヤルゼリー中のクロラムフェニコールの分析
石井 里枝堀江 正一村山 三徳米谷 民雄
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 47 巻 2 号 p. 58-65

詳細
抄録

高速液体クロマトグラフィー-エレクトロスプレーイオン化/質量分析計(LC-ESI-MS/MS)を用いたハチミツおよびローヤルゼリー中のクロラムフェニコール(CAP)の高感度,選択的な分析法を検討した.LC/MS/MS条件はネガティブモード,MRMで,LC条件はカラムにMightysil RP-18GPを,移動相に10 mmol/L酢酸アンモニウム-アセトニトリルを用いた.前処理法はハチミツについては精製水で希釈後,ローヤルゼリーについては1%メタリン酸-メタノール混液(4 : 6)で除タンパク後,それぞれOasis HLBで精製した.本法による定量下限値はハチミツで0.3 ng/g,ローヤルゼリーで1.5 ng/gであった.また,定量下限値での添加回収率は両者ともに92%以上であった.本法を適用してハチミツ20検体,ローヤルゼリー7検体について実態調査を行ったところ,ハチミツ1検体から0.6 ng/g,ローヤルゼリー6検体から1.5∼17.8 ng/gのCAPが検出された.

著者関連情報
© 2006 公益社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top