2006 年 47 巻 2 号 p. 75-80
現在, 11種の菌種から構成されるMalassezia 属真菌により, 異なる臨床病変が発症ないし増悪する.
脂漏性皮膚炎では, M. restricta が優位に存在し, アトピー性皮膚炎では, M. globosa とM. restricta が優位で, 且つ疾患中の菌と健常人の菌には異なる遺伝子を持つ種内変異が存在する.
癜風においては, M. globosa が主因菌種である. マラセチア毛包炎ではおそらくM. globosa が主因菌種であろう.
今後は11菌種から構成されるMalassezia 属真菌の菌種ごとの存在意義や発症メカニズムの解明, 予防法の確立が求められる.