米国産食品用大豆,1975年度産IOMを試料とし,これを40℃, RH75.2%(飽和食塩デシケーター)に約1ケ月貯蔵し,貯蔵中の品質変化並びに豆腐への加工性変化を検討し,次のような結果を得た。
(1) 貯蔵に対する窒素溶解指数(NSI),固形物抽出率が低下し,有機酸,脂肪酸度は増加した。またpHは僅かに酸性側に移行した。
(2) 貯蔵した大豆は浸漬過程で溶出物が増加し,豆乳抽出率が減少し,また豆腐が軟弱になり凝固性が低下した。この凝固性の低下は,主に抽出率減少に伴なう豆乳濃度の低下に起因する。
(3) 貯蔵した大豆蛋白質の溶解度低下は,希アルカリ溶液,メルカプトエタノール溶液で抽出することにより,また抽出を反復することによりほぼ回復した。
(4)貯蔵した大豆の水抽出蛋白質画分にあっては,11S成分に対する7S成分の比率が増加した。