日本食品科学工学会誌
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技術論文
Direct Analysis in Real Time Mass Spectrometryを用いた食品フレーバーリリースのリアルタイム連続分析システムの開発
佐川 岳人工藤 由貴西口 隆夫川向 孝知坂倉 幹始塩田 晃久星 大海松本 恵子渡辺 淳
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2015 年 62 巻 7 号 p. 335-340

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抄録

Direct analysis in real time mass spectrometry (DART-MS)を利用して,食品から連続的に放出される揮発性成分を,フレーバーリリース現象として測定することを試みた.
分析用試料として,チョコレートに類似した性質を持つ,モデル食品を作成し使用した.モデル食品の構成は,パーム核硬化油,乳糖,グラニュー糖をベースとし,そこにl-carvoneとd-limoneneを添加したものである.連続的な揮発性成分の測定には,DARTイオン源と質量分析計を,揮発性成分分析専用のデバイスを組み込んだシステムを使用することで対応し,モデル食品から加熱溶解する際に放出されるl-carvoneとd-limoneneを測定した.
結果として,本システムを用いることで毎秒1ポイントの連続的な揮発性成分の測定が可能となり,秒単位で変化するフレーバーリリース現象を捉えることができた.また,本モデル食品ではl-carvoneとd-limoneneではフレーバーリリースの挙動が異なる事も確認された.さらに,質量分析計の分析条件を最適化することにより,ミリ秒単位での測定の可能性も示唆された.

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© 2015 日本食品科学工学会
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