肝臓
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特別寄稿
日本の肝移植医療における移植肝臓内科医の役割と展望
山敷 宣代菅原 寧彦田村 純人幕内 雅敏小俣 政男
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2008 年 49 巻 1 号 p. 28-38

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抄録

1993年に本邦において初めて成人間生体肝移植が施行されて以降,成人症例の生体肝移植件数は増加し,年間300例以上の成人間生体肝移植が施行されるようになった.内科医から移植医へ紹介するタイミング,紹介した後の内科医のかかわり方,紹介後患者・家族が抱える問題点,適応外であった場合の内科的治療の継続,移植後長期における診療等,内科医が関わるべき役割は大きい.今後,内科医が症例の紹介にとどまらず,移植適応外となった場合の治療プランの決定,移植後安定期に入った患者のマネージメントなどに関わる機会は増加するものと考えられる.しかし現状ではレシピエントおよびドナーの適応評価・周術期管理,術後合併症を経験する施設は限られているため,紹介医へのフィードバックがかかりづらい.東京大学臓器移植部での診療データを交えて報告し,今後の移植医療における内科医の必要性を考察する.

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© 2008 一般社団法人 日本肝臓学会
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