肝臓
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Crossed immuno-affino-electrophoresisによるα-フェトプロテインのレクチン親和性の分析
宮崎 純遠藤 康夫織田 敏次
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1981 年 22 巻 11 号 p. 1559-1568

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抄録

肝硬変,肝細胞癌,消化管癌のさい産生されるそれぞれのα-フェトプロテイン(AFP)に質的差異が存在するか否かを検討するため,AFP糖鎖のレクチン親和性をcrossed immuno-affino-electrophoresisを用いて分析した.コンカナバリンA (con A)との親和性ではAFPは2つの亜分画に区分された(con A非結合および結合AFP).肝細胞癌患者AFPではcon A非結合分画はわずかに認められたのみであったが,消化管癌患者AFPでは約50%がcon A非結合分画であった.この差異は両疾患鑑別上右用と考えられる.一方,レソズ豆レクチン(LcH)との親和性ではAFPは3つの亜分画に区分された(LcH非結合,弱結合および強結合AFP).肝硬変患者AFPは大部分がLcH非結合分画であったのに対し,腫瘍産生AFPではLcH非結合分画が5%から100%まで広く分布し一定の傾向をみとめなかった.このことは肝硬変と肝細胞癌の産生するAFPをある程度鑑別しうることを示す.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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