日本畜産学会報
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ウズラの成長に伴う血糖値の変化と血糖成分
芝田 猛渡辺 誠喜
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1981 年 52 巻 12 号 p. 869-873

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抄録

ウズラの血糖に関する基礎的調査を行う目的で,その成長に伴う変化,鶉鶏目並びに2,3の動物種における血糖値の比較と,血糖成分について追求し,次の成績を得た.ウズラの血糖値は孵化時において180mg/dl程度であったが,成長に伴い増加し,8週齢で300mg/dlを越し,ほぼ一定の値となった.また性成熟後では,雌の値は雄のそれに比べ低かった.一方,ウズラの血糖値は他の鶉鶏目より高い(15週齢で雄:307.8.±12.2mg/dl,雌:272.9±10.9mg/dl)ことが認められた.血糖成分についてガスクロマトグラフィーにより分析を行い,この定量値とオルソトルイジン硼酸法によるそれとの比較も行った.その結果,成体における血糖値の主成分はグルコースであるが,胚の血清では少量のマンノースも検出された.その量は12.6mg/dlで,全血糖の6.9%であった.またグルコース投与およびインシュリン投与における血糖の変動はグルコースの変動であることを確かめた.これら二つの測定法による血糖値の相関はr=0.9954と有意であり,ウズラの血糖値はオルソトルイジン棚酸法で測定できることが確認された.

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