2016 年 82 巻 1 号 p. 28-32
船上で脱血した冷凍カツオの揮発性成分を非脱血群と比較した。脱血群は非脱血群に比べて,アルデヒド類とアルコール類が有意に少なかった。緩衝液中で血液と脂質を混合させると,アルデヒド類とアルコール類の生成が顕著であり,血液のみ,脂質のみではそれらはほとんど生成されなかった。脂質 100 mg に血液 0-100 μL を反応させると,それらの生成は血液の濃度依存的に増加した。カツオ魚肉の臭い成分であるアルデヒド類とアルコール類は,血液と脂質の相互作用により生成し,脱血処理はそれらの低減効果があるものと考えられた。