日本歯周病学会会誌
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ラットの歯周病原性細菌による炎症及び歯肉の創傷に対するSuperoxide dismutase投与の効果
三崎 広樹鈴木 誠吉江 弘正原 耕二
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1990 年 32 巻 1 号 p. 93-110

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抄録

歯周疾患でのO2-の関与とSuperoxide dismutase以下SODと略す) 効果について検索する目的で, ラットにおける, 歯周病原性細菌の腹腔への注入による腹腔の炎症, 同菌の足趾への注入による炎症, および歯肉に加えた切創に対し, SODを投与し, その炎症性滲出及び創傷治癒に及ぼす効果について検討を行った。その結果B. gingivalis腹腔内注入48時間後, SODの静注及び腹腔内注射投与により炎症性細胞の滲出及び滲出液中の酸性フニォスファターゼ活性のいずれに対しても抑制の傾向がみられた. またB. gingivalis足趾注入48時間後, SOD静注によりフィブリンの析出と線維芽細胞の増殖がより明らかとなり, 早期の治癒傾向がみられた。そして歯肉切創形成24時間後, SOD静注により炎症性細胞浸潤が減少し, フィブリンの析出, 線維芽細胞の増殖, 歯肉上皮の再生がより良好であった。以上の結果から, SODの投与により歯周病変における炎症の軽減と治癒の促進することが示唆された。

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