2008 年 17 巻 1 号 p. 23-28
タイリクヒメハナカメムシやククメリスカブリダニ等の天敵製剤を用いた害虫防除を行っている高知県内の果菜類栽培施設で,土着性カブリダニ類の発生を調査した.確認されたカブリダニ種は発生頻度の高い順に,ヘヤカブリダニ,ニセラーゴカブリダニ,コウズケカブリダニ,キイカブリダニなど9種であった.海岸平坦部の果菜類栽培施設では,ヘヤカブリダニとコウズケカブリダニが,中山間部の果菜類栽培施設では,ニセラーゴカブリダニの発生が多くみられた.さらに,ニセラーゴカブリダニ,コウズケカブリダニ,ミチノクカブリダニはナス類よりピーマン類で発生が多かった.以上のように,栽培地域や栽培作物が異なると発生するカブリダニ種が異なった.