本稿は、複数の産業連関表を利用して、国際地域間の相互の経済取引とそれによって引き起こされる環境負荷を、東京、北京、日本のその他地域を例にして、計測・分析を行った。分析から得られた主要な結論は、東京は北京にとって需要都としての性格が強いのに対し、他地域日本は北京にとって供給者としての性格が強い。従って、北京は東京向け輸出によってより大きな誘発効果をもたらしているということが分かった。また、誘発された生産額に伴って発生したエネルギー消費とCO2排出量は、日本側よりも北京のほうがより深刻で規模が大きいことが分かった。特に、東京との比較では、北京は1, 000倍にも及ぶ環境負荷を誘発することが示された。