2022 年 78 巻 2 号 p. I_153-I_164
令和元年東日本台風では千曲川左岸58km地点で堤防が決壊し,長野市北部の小学校1校,中学校2校が床上浸水した.浸水災害を対象とした教育継続計画作成に必要な対応事例を収集するため,長野市教育委員会を対象にインタビュー調査を行うとともに,学校周辺で浸水調査を行った.2つの中学校は上層階を使って18日後,24日後に再開,約2m浸水した小学校では近くの小学校を利用して23日後から学校再開した.バスやタクシーを活用した登下校手段の確保,学用品の支給,自衛隊や教職員による校舎の清掃・消毒,泥土処理など教育環境の整備が行われた結果,短期間での学校再開と教育継続が実現した.