2014 年 70 巻 1 号 p. 1-16
鉄道橋に免震機能を有するゴム支承を用いる場合,地震時の水平力分散のみ考慮して免震効果は耐震上の余裕代として設計を行うことが多い.この理由として,鉄道橋には軌道(レール)が連続して敷設されるため,軌道による免震効果への影響が不明確であることが挙げられる.そのため,軌道による地震時の橋梁の挙動への影響を明らかにすることが重要である.そこで,実大の直結軌道を用いて振動台実験を行い,地震時の軌道の挙動を明らかにするとともに復元力モデルを提案した.さらに,軌道が橋梁の挙動に及ぼす影響を明確にするため,この復元力モデルを用いて標準的な実橋梁を対象に解析的検討を行った.その結果,軌道の影響の有無により橋脚やゴム支承の応答が1~2割程度変わること,また隣接構造形式による影響が大きいことなどを把握した.