2015 年 71 巻 5 号 p. I_797-I_804
協調ITSにおいて,路車間・車車間通信の両システムが連携することで様々なITSサービスアプリケーションが実現可能になってきている.また,従来の「走る,曲がる,止まる」に加えて,自動車の新たな機能の一つとして「繋がる」に注目が集まっている.本研究では,情報の伝達によってドライバ同士が繋がることの先進事例として,先々行車両の加減速情報を追従車両に提供し,発進時の燃費と車両挙動に与える影響を検証した.その結果,1)発進時に情報を視認することが多く,発進時の燃費が改善する.2)発進遅れの短縮やアクセル踏込み量の減少など運転行動の変化が確認された.3)加速終了時には,先行車両に調和した車両挙動になる.以上より,先々行車両の加減速情報を追従車両のドライバに提供することが,発進時に有用であることが明らかになった.