2016 年 72 巻 2 号 p. I_323-I_334
本研究では,繰返し載荷を受ける不飽和土の動的挙動の予測精度の向上を目的として,繰返し載荷中の間隙比の減少に着目し,土骨格の構成式と水分特性曲線への間隙比の変化の影響を考慮する手法を提案した.また,任意のサクション・飽和度の状態からの繰返し載荷の挙動を記述できるように,繰返し載荷時に水分特性曲線が主吸水曲線を指向する走査曲線上を辿る手法を導入した.
これらの手法を非排気・非排水条件下での繰返し三軸試験の支配方程式に導入し,2種類の不飽和繰返し三軸試験のシミュレーションを行った.提案した手法を用いることで,実験で得られたサクションや骨格応力の減少,発揮される軸差応力の大きさなどをより良く記述できることがわかった.