2010 年 66 巻 2 号 p. 264-272
著者らは,疲労き裂の近傍の母材を叩いて疲労き裂の表面を閉口することによって疲労寿命を向上させる工法(衝撃き裂閉口処理:ICR処理)を開発した.この工法を,鋼床版デッキプレートと垂直補剛材の接合部に発生する疲労き裂へ適用することを考え,その効果を明らかにするために,デッキプレートと垂直補剛材の接合部と同じ構造ディテールである面外ガセット溶接継手試験体を製作し,板曲げ振動疲労試験を行った.予め面外ガセット溶接継手試験体に大きさの異なる疲労き裂を発生させ,その疲労き裂をICR処理により閉口し,再度疲労試験を行うことによって,ICR処理による面外ガセット溶接継手に発生した疲労き裂の寿命の向上効果を明らかにする.