1999 年 1999 巻 612 号 p. 165-179
本研究では, 大阪府全域を対象としてアンケート震度調査を実施し, 1995年兵庫県南部地震の詳細な震度分布を求めた. 得られた震度分布の信頼性を確認するため, 地震観測記録から算出される計測震度との比較および他機関が実施したアンケート震度調査結果との比較を行なった. その結果, 太田方式によるアンケート震度は計測震度で補正する必要があることが明らかとなった. そこで, 本調査結果に対しても補正を行い, 信頼性の高い震度分布を得た. さらに, 震度分布から見かけの震源, 伝播経路およびサイト特性を分離し, 断層破壊伝播による指向性の影響, 震度の距離減衰特性, サイト特性による高震度あるいは低震度域を明らかにした.