2014 年 6 巻 2 号 p. 176-179
症例の概要:患者は69歳の男性.全部床義歯の違和感が強いことを主訴に来院した.顎堤条件は上下顎ともに優型であったが,舌を突出する悪習癖を認めた.本症例では旧義歯を複製し,治療用義歯として用いることとした.その治療用義歯を参考にした新義歯を製作した.
考察:複製義歯を用いて,積極的に義歯の形態修正を行った.十分な治療期間を得たことにより,義歯に対する抵抗感を減らすことができたと考える.
結論:可逆的な治療方法である,複製義歯を応用することで,トラブルを回避しながら治療を進めることができ,良好な結果を得ることができた.