におい・かおり環境学会誌
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特集(バイオセンサ)
生物そのものを利用したバイオセンサ—線虫嗅覚によるがん診断—
広津 崇亮
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2015 年 46 巻 3 号 p. 191-199

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抄録

微量のにおい物質の検知には,従来は物理・化学的手法が用いられてきたが,感度,選択性を追求すると大型化,高コスト化を招く問題があった.そこで近年注目されているのが,生物の嗅覚の高感度性,高選択性を生かしたバイオセンサである.その中には,生物の嗅覚機構を模倣するセンサ,生物の機構や設計思想を活用するセンサが含まれるが,本稿では生物そのものを利用するセンサについて紹介する.最近線虫C. elegansががんのにおいを高精度に識別できることが発見された.線虫嗅覚を用いたがん診断技術(n-nose)は,高感度,低コスト,非侵襲性,簡便,早期がんを発見できるなど,これまでのがん検査システムを変える可能性を秘めている.

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© 2019 (社)におい・かおり環境協会
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