초록
本論は、村上春樹の小説のなかでもっとも評価が低く、先行研究の数も圧倒的に少ない『スプートニクの恋人』をとりあげる。『スプートニクの恋人』は、〈コミットメント〉の実践として一定の評価を得た『アンダーグラウンド』と『約束された場所で』のふたつのノンフィクションの後に発表された最初の長編小説として注目をあつめたが、恋愛小説というジャンルに対する先入見と謎めいた内容によって、小説が内包する〈コミットメント〉の側面は等閑視されてきた。そこで本論では、〈コミットメント〉への転換以前と以後の作品に共通して表れる〈ユートピア〉のモチーフに着目する。〈ユートピア〉とは外部の混沌や汚れを〈排除〉した隔絶された世界のことであるが、たとえば前期の『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』における〈ユートピア〉と後期の『アフターダーク』で見出される〈ユートピア〉は類似するどころか、むしろ対立的するものとして描かれている。それは現実世界の混沌や汚れの〈排除〉に対する作家の態度の変化と深く関わっている。そこで、小説のもっとも謎めいた場面であるミュウの観覧車体験とすみれの夢の話のメタファーを綿密に分析することによって、それらが北朝鮮やオウム真理教などの現実世界の〈ユートピア〉とどのように結びついていくのかを明らかにする。
키워드
村上春樹, 『スプートニクの恋人』, ユートピア, イニシエーション, コミットメント, デタッチメント, 北朝鮮
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