分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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スキマーインターフェースで接続した[TG/DTA]/[イオン付着イオン化-TOFMS]による高分子材料からの熱分解発生ガスのモニタリングと特性評価
三島 有二吉田 宏美樋野 賢治小貫 聖美津越 敬寿齋藤 直昭西本 右子
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2011 年 60 巻 3 号 p. 261-267

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抄録

新たに開発したスキマーインターフェース接続熱重量示差熱分析同時測定/イオン付着イオン化飛行時間型質量分析装置を用いて,樹脂試料10種類の熱分解ガスの測定を行った.イオン化において熱分解ガス成分のフラグメンテーションを伴わないソフトイオン化法を備えた開発装置は,飛行時間型質量分析計を採用したことにより優れた時間分解能で発生ガス成分のリアルタイムモニタリングが可能である.また,熱物性データと質量分析データの併用は同一の化学組成を持つが,熱物性の異なる樹脂材料の異同識別を可能とした.このため,開発装置は樹脂試料の異同識別や熱分解反応解析などにおいて威力を発揮することが期待される.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2011
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