2015 年 30 巻 6 号 p. 951-954
〔目的〕「脳卒中治療ガイドライン2009」より装具を用いた早期からの立位歩行訓練が推奨され下肢装具を作製した脳卒中患者を対象に,退院先へ影響を及ぼす要因と今後の課題について検討した.〔対象〕対象は平成25年4月から平成26年3月までに当院回復期リハビリテーション病棟に入院し,下肢装具を処方された脳卒中患者59名を対象とした.〔方法〕自宅退院者群24名と非自宅退院者群35名の入院期間,FIM項目の入退院時の移動,運動,認知,総合計FIM,SIAS利得(退院時のSIAS点数-入院時SIAS点数)の股関節,膝関節,足関節を2群間で比較した.〔結果〕自宅退院患者群は非自宅退院患者群に比べ入院期間,入退院時の移動FIM, 総合FIM,SIASの股,膝,足関節において有意差が認められた.〔結語〕自宅退院者群は麻痺が比較的軽度であり,一方,非自宅退院者群は重症例が多く,生活期に向けた使用方法を検討することが今後重要である.