表面科学
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In situ およびex situ電極表面の比較
伊藤 正時犬飼 潤治
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1994 年 15 巻 7 号 p. 412-418

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抄録

電極表面を詳細に検討する手段として,電極を超高真空中に引き上げて表面科学の豊富な分析手段を利用するex Situ分析の流れと,溶液中でその場観察可能な手法を駆使するin situ分析の流れが存在する。両者はそれぞれ相補的であるにもかかわらず,同じ系において同じ分光法がin situとex situの両方に応用された例は,筆者らが知る限り存在しない。
筆者らは,反射赤外吸収分光法(IRAS)を超高真空中に引き上げた電極の測定に応用できる装置を開発した。この装置を用いたex situ IRASの結果とin situ IRASとの結果を比較して,電極系と超高真空系との類似点,および相違点について考察する。具体的な実験として,1)Pt(111)電極表面上の硫酸水素イオンおよび過塩素酸イオンの吸着,2)Pt(111)電極表面上の銅の電析への硫酸起源の吸着種の影響について述べる。

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