日本応用動物昆虫学会誌
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ホソヘリカメムシの人工飼料
釜野 静也
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1980 年 24 巻 3 号 p. 184-188

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抄録

1. ダイズ粉末を固めた人工豆を基本にホソヘリカメムシの人工飼料の開発を進めた。
2. 粉末濾紙,でんぷん,サッカロース,ダイズカゼイン,アミノ酸混合,無機塩混合,コレステロール,アスコルビン酸,ビタミン混合の既知物質からなる合成飼料を作った。この飼料でふ化幼虫から飼育し,多数の成虫が得られた。
3. 合成飼料の構成成分の中,でんぷん,ダイズカゼイン,アミノ酸混合,コレステロールのいずれを除いても幼虫期に死亡し成虫は得られなかった。粉末濾紙,サッカロース,アスコルビン酸,ビタミン混合の一つを欠いた飼料では幼虫の成育が悪くなり,わずかの個体しか成虫にならなかった。無機塩混合を除いても成育には影響なく,むしろ幼虫期間は短かくなった。

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