溶融混練法によって生分解性のポリ乳酸/層状ケイ酸塩ナノコンポジットを調製し, その熱的性質, 機械的性質, ガスバリア性, 生分解性について評価した. 各種アンモニウムカチオンで有機化処理したモンモリロナイトおよび合成フッ素雲母を用いることで, 溶融混練法でも層間挿入型ナノコンポジットが得られ, 各種物性が向上した. 特にヒドロキシル基を含有するアンモニウムカチオンで有機化処理した合成フッ素雲母を10%添加したナノコンポジットでは, 印加荷重0.98MPaでの熱変形温度において, ポリ乳酸と比較して38℃向上し, 曲げ弾性率は1.5倍に向上した. またこの合成フッ素雲母を用いると酸素透過率は1/4まで低減でき, 生分解速度も2倍近く向上することがわかった.