日本農芸化学会誌
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リボ核酸またはポリウリジル酸をリン源としてのUstilago zeaeの培養
柳田 充弘内田 庸子江上 不二夫
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1964 年 38 巻 11 号 p. 531-535

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抄録

(1) 黒穂菌Ustilago zeaeは無機塩とグルコースだけの培地で生育し,細胞外リボヌクレアーゼを生産する.この酵素はDEAEセルロースカラムクロマトグラフィーによって部分的に精製された.活性の山は1つで,比活性30のフラクションの至適pHは8~9で,またグアニル酸ホスホジエステル結合をよく切る.
(2) Ustilago zeaeは,末端リンのないRNAまたはポリウリジル酸をリン源として利用し,無機リンをリン源とする場合と同じ程度に生育する.
(3) pH 7.5のリボヌクレアーゼ活性は,リン源がRNAまたはポリウリジル酸でおきかえられると数培増大する.ポリウリジル酸は生育が対数期にはいるまえに培養濾液から消失し,代謝産物としてウリジン,ついでウラシルが培養液中にあらわれてくる,しかし, UMPは蓄積してこない.

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