1957 年 60 巻 9 号 p. 1188-1192
著者らは, ピニロンの染色性を改善する目的で, N-ビニルコハク酸イミドと酢酸ビニルとのコポリマーからつくった含窒素ポリビニルアルコールについて, その可紡性と染色性とを検討した。その結果, たとえばイミド含有率を0.7 mol%とした混合紡糸ビニロンでは,他の性質をあまりそこなうこともなく,酸性-,塩基性-,直接-染料に対する染色性がそれぞれ顕著に向上することがわかった。赤外線吸収スペクトルおよび繊維断面の顕微鏡写真について検討し, 上記染色性の向上が主として, 繊維に含まれる官能基と染料分子間の化学結合に基くものらしいことを推測した。
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