2017 年 60 巻 3 号 p. 157-165
2014年3月より,NTTデータはバチカン図書館の保有するマニュスクリプト(手書き文献)のデジタルアーカイブ事業を開始した。NTTデータはその中で,長年にわたって蓄積してきたデジタルアーカイブや検索に関する技術・ノウハウを活用することで,バチカン図書館のデジタル化された資料の唯一のポータルとなるデジタルライブラリー(DigiVatLib)を構築した。構築するにあたり,新たに長期保存に関する国際標準であるOAIS,画像データの長期保存に適したフォーマットであるFITS,画像を相互に閲覧する規格であるIIIF等の機能を組み込むことで,長期保存のみならず,利活用にも優れたプラットフォームを提供した。本稿ではその詳細について寄稿する。